南直哉(みなみ・じきさい)/1958年、長野県生まれ。禅僧・老師。恐山菩提寺院代、霊泉寺住職。84年、出家得度。曹洞宗大本山・永平寺での修行生活を経て、2005年から恐山へ。18年、『超越と実存』で小林秀雄賞受賞。著書に『老師と少年』『正法眼蔵 全新講』など(撮影/横関一浩)
『苦しくて切ないすべての人たちへ』/一般家庭から出家して禅僧になった著者にも生きる苦しみがあった。その体験と、長年悩みを抱えて訪ねてくる人々を迎えてきた経験から「この世には、自分の力ではどうしようもないことがある。人間、生きているだけで大仕事なのだ」という境地にたどり着いた。「仕方なく、適当に」「万事を休息せよ」「死んだ後のことは放っておけ」など、肩の力が抜ける心優しい人生訓