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「アホとは戦うな。時間の無駄である」と提唱する、元政治家であり、現在はシンガポール・リークワンユー政治大学院で教鞭を執る田村耕太郎さん。しかし、41万部を突破した著書『頭に来てもアホとは戦うな!』の読者からは、「それでも戦ってしまう……」と多くの悩みの声が寄せられているという。
日々の仕事・暮らしの中で「アホ」に悩んでいるあなたに、ちょっとでも気持ちが楽になるヒントを田村さんが提案する連載「アホから解放される相談室」。今回は「プライドの高いアホを怒らせたときの対処」について。
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【相談】プライドの高いアホを怒らせてしまいました。ちょっとしたコミュニケーションの行き違いがあり、その人は「自分がぞんざいに扱われた」と感じてしまったようなのです。こちらにそんな意図はもちろんありません。事情を説明しようにも謝ろうにも、チャンスすらいただけません。仕事上大切な人なので、もういちど信頼関係を築きたいのです。私はどうしたら許してもらうことができるでしょうか……?
■まずはじっくり相手を観察
まず何事も早すぎるリアクションはやめて、じっくり相手を観察することです。単なる自分の思い込みで「相手はこちらが思っている通りの状況にない」ことがおうおうにしてあります。
本当に「自分があなたにぞんざい扱われた」と感情を害しているのか? それとも多忙なだけなのか? それとも別にその方に何かこちらが知りえないことが起こっているのか?じっくり観察し、まわりの関係者からも聞き込みして状況をできるだけ確かめましょう。それからでも遅くはありません。
もし「あなたの意図に反してその方があなたにぞんざいに扱われたと思って気分を害している」ことが事実であったら、次にその方が本当に大切な人であるかであるか自省しましょう。
焦ってそう思っているかもしれませんが、その方がいなくても、バックアップになってくれる人がいるかもしれません。