それでも決意は変わらず、その後、彼が訪日し、佐藤さんの実家へ挨拶に。

「今後のふたりのビジョンをしっかりと説明し、彼の誠実な人柄がわかり、両親は安心したようです。最後はすべて認めて祝福してくれました。彼の仕事のスケジュールや物理的なことなどを考えると日本での披露宴や食事会を開くのは難しかったので、親戚縁者には、ハガキで報告を済ませ、友人、知人には日を改めて知らせることに。そのまま渡米して彼の家族へ挨拶に行きました。ご両親はすでに他界していましたが、義姉がふたりいるので、4人で食事をしました。義姉たちには結婚前も何度か会っており、かわいがってくれていたので、とても喜んでくれましたよ。次義姉は遠方に住んでいるので、なかなか会えませんが、長義姉は車で30分ぐらいの所にいるので、ときどき義姉の家族とホームパーティやBBQ、ショッピングなどを楽しんでいます」

 また、夫の友人、知人に知らせると、ささやかなパーティを開いてくれた。

「大げさなことはイヤだったので最初は断ったんですが、何かと力を借りることもあると思い、素直に受けました。みんなフレンドリーで『これから、ここで生きていくんだ』という決意も新たにできました」

 アメリカでの国際結婚は日本と違い婚姻届けを出せば終わりというわけでなない。

「結婚許可書や永住権など必要書類の申請など手続きがちょっと煩雑で面倒なのですが、夫とふたり、ひとつずつクリアしていくことが楽しかったです。何から何まで初めてで、新しい経験にワクワクしました。こんな気持ちになる結婚って素敵だな、と思いましたね」 

 こうして佐藤さんはアメリカで新生活を順調にスタートさせた。(取材・文/須藤桃子)

須藤桃子(すどうももこ)
1965年東京生まれ。フリーライター。女性の生き方、料理、健康、ペット(特に)系を中心に活動