
■1月クールのドラマでは“惨敗”したが……
山崎賢人(23)が主演を務めるドラマ「グッド・ドクター」(フジテレビ系)が絶好調だ。第5話(8月9日放送)の平均視聴率が、ついに12%(ビデオリサーチ調べ・関東地区、以下同)を超えて話題となった。そもそも初回から11.5%を記録し、以降もずっと10%以上で推移している。昨今のフジテレビ木曜22時枠のドラマは、ほとんどが視聴者ひと桁台で、週刊誌や芸能ニュースなどでたびたびやり玉に挙げられてきた。フジテレビは他の枠でもドラマで苦戦し、テレビ業界の凋落と合わせて語られてきただけに、「グッド・ドクター」の快挙に同局関係者は胸をなでおろしているという。
「7月クールのドラマは毎年、スポーツ競技の中継と重なり、お盆休みもあるため、テレビの視聴率は下がりがちです。そんな中で、『グッド・ドクター』が“視聴率女王”と言われる石原さとみ(31)が主演する『高嶺の花』(日本テレビ系)に勝ったのは、素直にすごいと思います。今クールは恋愛系がどれも苦しくて、やっぱり刑事モノか医療モノが視聴率を安定して視聴率をとっている印象ですね」(民放ドラマプロデューサー)
「グッド・ドクター」も、サヴァン症候群という疾患を抱え、コミュニケーション能力にはハンディキャップを持ちつつも、天才的な記憶力と空間認知力を持つ小児科医を主人公にした医療系ドラマ。しかもすでに“実績”がある。
「『グッド・ドクター』は、もともと2013年に韓国で放送されたドラマなんです。その後。17年にアメリカでもリメイクされました。両国で大ヒットした作品なだけに、日本でも期待されています。ちなみに、同じくサヴァン症候群の主人公を中居正広(45)が演じた刑事ドラマ『ATARU』(TBS系、12年放送)も大ヒットしました」(同)
ドラマのヒットで注目を集めているのが主演の山崎だろう。山崎と言えば、イケメン枠として「ヒロイン失格」や「orange」(ともに15年公開)などいわゆる“恋愛壁ドン系”映画作品がヒットしブレイク。以降、若くしてさまざまな映画で、主演クラスとしてキャスティングされてきたが、直近ではすこし調子を落としてきた。今年1月クールの初主演ドラマ「トドメの接吻」(日本テレビ系)は平均視聴率がひと桁台にとどまっている。
「彼の演技には、ものすごく突出した部分があるとは思いません。だけど、その分、どんな役柄でもスルッと憑依させ、こなせている。恋愛系なら甘い王子さま役として、自閉症スペクトラム障がいの役ならそれらしく……といった感じです。もちろん、イケメンであることには疑いの余地はないので、原作モノのキャラクターを当て込むと、ビジュアルはうまくハマる。また、その演技が、過剰すぎないのも、視聴者には見やすいんじゃないでしょうか。ただ、そうした癖のなさは役者としていつかは行き詰まってしまう。今回も安定の医療系ドラマだからたまたま当たったという評価をする人たちもいます」(同)