一点目は、辺野古埋め立て承認の撤回についてです。
翁長氏は、7月27日、辺野古埋め立て承認の撤回を行うと公に表明しました。知事亡き後、知事の職務を代理しているのは副知事です。現在、沖縄県庁の中には、辺野古埋め立て「承認撤回」という、日米関係をも揺るがしかねない権限を、代理にすぎず選挙に選ばれた者でもない副知事が行使してよいのか、という議論があるとききます。
しかし、この点の、結論は簡単です。
日本政府は本格的な辺野古埋め立て開始を8月17日に予定しています。翁長氏はこれを止めるべく、逝去のわずか12日前である7月27日に承認撤回を表明したのです。さらには、その撤回のための行政手続に国から意見を聞く「聴聞手続」があり、その聴聞手続について国から9月への延期の申し立てがありましたが、8月6日、翁長氏は「延期を認めない」との判断をしました。8月6日とは、翁長氏が意識混濁となる前日です。
すなわち、翁長知事ははっきりと、日本政府が土砂搬入を開始するとしている8月17日の前に承認撤回するという意思を示していたのです。
代理の副知事としては、翁長氏の確固たる意思を遂行することこそが、まさになすべき務めです。
二点目は、日本政府は、この期に及んで辺野古の海への土砂搬入を行うのか、という点です。翁長氏の死に多くの沖縄の人々が大きな衝撃を受けています。それは、翁長氏が辺野古反対の県民の声を代弁して戦い続けたからであり、日本政府も沖縄の人々がいかに強く辺野古基地建設に反対しているのかということを痛いほど認識しているはずです。それでも、日本政府は埋め立てを開始するのでしょうか。
政権与党である公明党の山口那津男代表は、翁長氏の逝去についてコメントを出し、辺野古移設に翁長知事も異を唱えられないと思う、と述べました。立場の違いはともかくとしても、「平和の党」を標榜する党の代表がこれほどまでに無理解だとは、言葉もありません。