日本政府は、埋め立ては止める。
そして、名護市長選他で多くなされたような争点外しをせず、堂々と辺野古基地建設を争点にして、知事選を行うべきではないでしょうか。
最後の三点目は、この翁長氏の死が、沖縄の新基地反対運動の転機になっていくだろう、という点です。この数年、沖縄の数ある新基地反対運動は様々な意見の相違により、時に一緒には活動ができないような状況もみられました。その意見の違いは、翁長知事が長いこと撤回の判断を示さなかったことへの意見の相違、あるいは、辺野古基地賛成か否かを問う「県民投票」をやるべきかどうかといった点によるものでした。辺野古基地建設に反対するという点では一致する中での、方法論の違いでした。
しかし、翁長知事が撤回を既に公に表明し、県民投票を行うための住民署名が法定数よりはるかに多く集まった現在、意見の差異を生んでいた論点の多くは既に対立点ではなくなっています。そして、前倒しとなった知事選が1カ月後にやってきます。翁長氏亡き後、まだ候補者の名前も挙がっていない辺野古基地反対の陣営ですが、今こそ一つにまとまって、次なる一歩を踏み出す機会にしなければなりません。そして、既にその風が吹いています。(国際弁護士・猿田佐世)