だけど、共感を得る、得ないに関係なく、感情を抑制しない人がエライ。そんな風潮がSNS時代にどんどん広がっている気がしてならない。いつの間にか「ぶっちゃけキャラ」などという言葉が、長所を表すようになっている。
昨今話題の、剛力彩芽という人が痛々しい。
こういう風潮に乗せられているとまでは言わないが、ぶっちゃけキャラになってしまっているのに、その自覚がない。いろいろ書いてはいるが、ようは恋愛感情を抑えきれないだけに見える。
まだ25歳の女子だ。ましてや恋人は大金持ち。日帰りでロシアに連れていってくれる。上等な船で昼寝もしてくれる。毎日毎日、ドリカムの「うれしい!たのしい!大好き!」状態だろう。「きっとそうなんだっ、めぐりあえたんだっ、ずぅっと探してった、ひーとーにっ!」な感情が抑えきれないから、インスタをすぐ再開してしまう。
まわりの大人は何とかしてあげられないのだろうか。
店でランチパックを見るたびに、彼女の恋愛を思い出してしまう。ドラマや映画は、これからどうするのだろう。誰を演じても、ZOZOTOWNがチラチラするのは、女優としてはアリなのか。
最後に綾瀬に戻るのだが、そんな時代にあって、彼女の演じる「感情抑えめ女子」「ぶっちゃけないキャラ」は実に貴重なのだ。
そしてこのほど知ったのだが、綾瀬という人はどうやらSNSをしていないらしい。「そうこなくっちゃ」と思う。
綾瀬はるかの「抑制感」が好もしい。そんな、暑すぎる夏。(矢部万紀子)