「5年ぶりに2人で歌って、ヴォーカリストとしても、見えかたも、まったく違うタイプだということをあらためて感じました。だからこそこの2人にしかできないことがある。国際フォーラムの2日公演に計1万人が集まってくれたことにはほっとした。もう聴きに来てくれないんじゃないかと、とやっぱり不安でした」(川畑)

「再びCHEMISTRYとしてやって、この5年でヴォーカリストの自分が成熟したと感じることができました。色気が増したことを自覚できた」(堂珍)

「僕も色気が増したと思えました。このソロ期間、黒人のヴォイストレーナーについてレッスンを重ねてきたんです。声は喉だけで発するものではありません。体全体を楽器のように、あるいはコンサートホールのように鳴らします。そして、口だけでなく、体中の毛穴からも音を発するように指導されました。ヴォイストレーニング中に、目いっぱいのファルセットでまぶたを閉じてしまったことがあるんですよ。その瞬間、トレーナーに厳しく言われました。目を閉じるな! と。目からも声は出ているんだ、と」(川畑)

 確かに、楽器も、サックスやトランペットのような管楽器は開口部だけでなく、ボディ全体が鳴る。ピアノも内部の弦だけでなく、ボディ全体が鳴る。CHEMISTRY2人の体も、体全体を鳴らすからこそ、声が厚みを増し、艶も生まれる。歌は生き物だ。

 再出発をしたCHEMISTRYは、この夏全国各地のフェスやイベントで歌う。体が鳴り、心が鳴る2人の歌を野外の会場で体験したい。(神舘和典)

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