私がちょうど新しい恋を探そうと奮起しはじめた時に猪瀬直樹元都知事と女優で画家の蜷川有紀さんの熱愛発覚記事が週刊誌に出た。私と同じボツイチの猪瀬さんがこんな美女と!と興奮し、記事をむさぼり読んだ。そして直後にある会合でお2人と遭遇したので、すぐさま駆け寄って祝福させていただいたのも、同じボツイチ同士、心から熟年カップルを祝福したかったからだ。先月、二人合わせて128歳という婚約会見も開かれていたが、猪瀬さんは亡くなられた奥様(同志のような素晴らしい伴侶だったと聞いている)と同じ誕生日と血液型を持つ蜷川さんと運命的にめぐり合い、再び熱烈な恋に落ちたということで、これは偶然と呼ぶにはあまりにも不思議な符号。運命の導きを感じたのは想像に難くない。猪瀬さんの熱愛発覚記事は、もう誰も愛せないかも、などと弱っていた私には朗報だった。
【写真】ラブラブさがうかがえる!?蜷川有紀&猪瀬直樹の著作の表紙がこちら
そんなある夜、女友達Mから衝撃的なメールが入った。「ナカセさーん、いい話が舞い込んだよ。よかったらお見合いしてみない?」。マジかっ!自慢じゃないが、私は適齢期にもお見合いの話が一件も持ち込まれなかったし、今となっては百戦錬磨の仲人口をフル回転させて薦められようのない物件と成り果てておる。まさかの人生初のリアルお見合い話がボツイチの今、立ち直ろうとしているタイミングで来るなんて!これは運命か!?私は震える指で返信を打った。「スグシリョウオクレ」。
ほどなく送られてきた釣書には「●●大学大学院博士課程卒」「●●大学教授」「●●区在住・持ち家」などの高スペックな単語がずらりと並んでいる。趣味は「散歩」。添付された写真は緊張しているのか、口を一文字に結んだ真面目そうな表情だ。私と同じく50代のその教授はこんな好条件を背負いながら一度も結婚経験がないという。
Mに電話して「ちょっとぉ、相手の方は私が激デブだとかババアとかボツイチだとか知って引かない?」と問うと、「もちろんそんな大事な事実は私も気になって最初に確認しました。でも先方が『体型や年齢や婚歴は全く気にしません。お話の面白い女性がいいです』っていうから、これはイケルと踏んだわけよ!持つべきものは現実的な友でしょ?」得意げに笑うMはさらに畳み掛けて、「長年の付き合いで今更の質問だけど、ナカセさんの男のタイプって、具体的にはどんな?白川さんがあまりに特殊案件すぎたから、推測不能でさ」。