(3)「SMAP解散騒動における世間の目」についても、所属タレントの結婚という点において多少影響しているのではないかという見方をする業界人も多い。

 同事務所に限らず、近年では芸能人の独立や移籍などの契約に関して、公正取引委員会が芸能界全体に対して“是正”を求める動きを見せている。

 所属タレントの「マネジメント」だけでなく、莫大(ばくだい)な初期投資をかけてタレントの「発掘」や「育成」にも力を入れている日本の芸能事務所を米ハリウッドにおける芸能事務所と同じのような基準で比較することには疑問も残るが、それでも企業にとってイメージという観点は無視できない。

 一連の「SMAP」の解散騒動における世間の一部からの厳しい目は、企業イメージという点で同事務所にもそれなりの影響を及ぼしたであろうことは想像に難くない。

 所属タレントの結婚に“後ろ向きな姿勢”というのもけっして企業イメージとして良いものではなく、そうした印象を払拭する意味でも、今後同事務所は所属タレントの結婚に関して以前よりも柔軟な対応をするのではないかという声もある。

 以上の3つのポイントを踏まえつつ、ネット解禁など新時代に向けて舵を切った「ジャニーズ事務所」の今後の結婚観の変化にも注目していきたい。(芸能評論家・三杉武)

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