現在は全摘術後の乳房再建に健康保険が適用されるようになり、温存率は「本来こうあるべき数字」に落ち着いてきた。聖マリアンナ医科大学病院の津川浩一郎医師はこう話す。
「患者さんに合った術式が選択されているかどうかが重要。温存率が高いほどいい病院というわけではなく、逆に極端に低い場合も温存できるのにしていない可能性があります。40~60%程度が妥当な数字でしょうか」
また、乳房再建はがんの手術をする病院から、提携病院を紹介される場合もある。
「地域によっては再建ができる形成外科医が少なく、技術力が高い形成外科クリニックに任せたほうがいい場合もあります」(田中医師)
◎田中眞紀医師/JCHO久留米総合病院 病院長(乳腺外科)
◎津川浩一郎医師/聖マリアンナ医科大学病院 乳腺・内分泌外科診療部長(教授)