スマイルジャパンのメンバー (c)朝日新聞社
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FW・久保英恵選手 (c)朝日新聞社
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 平昌で通算3度目の五輪に挑む女子アイスホッケー日本代表「スマイルジャパン」。1月下旬にドイツとチェコを迎えて行われた壮行試合では、それぞれ2試合を行い4戦全勝と順調な仕上がりぶりをうかがわせた。

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 ドイツとチェコは平昌五輪の出場を逃したとはいえ、世界ランキングでは日本の9位に対して、ドイツは7位、チェコは8位と上位にランクする。

 もちろん、五輪直前のモチベーションやコンディション、ホーム開催だったことを考えれば勝って当然との見方もできる。だが、日本は過去2度の五輪で10試合を戦いながら、いまだ1勝もできていない。前回のソチ大会は、初めて予選突破しての五輪本番だったが(98年長野大会は開催国として予選なしの出場だった)、予選ラウンドと順位決定戦でドイツには2度も敗れている。

 そんな過去があるだけに、壮行試合の連勝に「今回こそは」と期待値が上がってしまうのも無理はない。

 平昌五輪の女子アイスホッケーは、8カ国で争われる。スマイルジャパンが目指すのは、まず悲願の五輪初勝利になる。だが、チーム内からは1勝にとどまらず「予選ラウンド突破は最低ライン」「メダルのチャンスもある」と前向きなコメントが多く聞かれる。これまでほとんど関心を持ってこなかったメディアからもにわかに期待の声が出始めている。

 平昌の予選ラウンドでスマイルジャパンが顔を合わすのは、スウェーデン(世界ランキング5位)、スイス(同6位)、韓国(同22位)の3チーム。スウェーデンとスイスはいずれも格上で、韓国にはホームアドバンテージがある上に、今回は北朝鮮との合同チームが結成されるため、戦い方や試合会場の雰囲気を含め、不気味な部分を含んでいる。

 決勝トーナメント(準々決勝)に進むためには、その予選ラウンドで上位2位に入る必要があり、決して楽な道のりではない。メダルを狙うには、さらにそこからすでに決勝トーナメント進出を決めている世界ランキング上位4チームのアメリカ、カナダ、フィンランド、OAR(ロシアからの五輪選手)との対戦が待っている。

 日本とすれば、勝ち上がるためには何としても2月10日の初戦のスウェーデン戦で勢いを付けたいところだ。

 そのスウェーデンには前回のソチの初戦で0-1と敗れている。15年の世界選手権で初勝利こそ挙げているものの、昨年12月の対戦(フィンランドでの5カ国対抗戦)でも延長の末1-2と敗れている。

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