何とも馬鹿馬鹿しい話ではあるが、実際にあるメディア媒体では「ジャニーズ事務所」の機嫌を損なうことを危惧し、ほんの少しだけジャニーズタレントの腕が写っているだけで、ネット上での記者会見の写真の掲載を見送ったなんてエピソードもある。

 もっとも、近年は会見の主催者サイドがフォトセッションの際、ネット記事用にジャニーズタレントがいないバージョンも用意することが当たり前になっており、こうしたメディア側の苦労もだいぶ軽減されていたわけだが……。

 また、ジャニーズタレントのスキャンダルを追うネットメディアの動向も興味深い。

 この種のメディアの中には、ゴシップ記事に登場するジャニーズタレントの写真の代わりに、あえて記事とはまったく関係のない、それでいて一般的にヒキの強い可愛いネコの写真などを使用することで、記事自体のPVを伸ばすという手法を駆使する媒体もあったが、今後変化はあるのか?

 さらに、各芸能事務所の動画ニュースへの今後の対応も含めて、今回の「ジャニーズ事務所」によるネット写真の解禁は、芸能史においても大きな事象と言えるだろう。(三杉武)

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三杉武

三杉武

早稲田大学を卒業後、スポーツ紙の記者を経てフリーに転身し、記者時代に培った独自のネットワークを活かして芸能評論家として活動している。週刊誌やスポーツ紙、ニュースサイト等で芸能ニュースや芸能事象の解説を行っているほか、スクープも手掛ける。「AKB48選抜総選挙」では“論客(=公式評論家)”の一人とて約7年間にわたり総選挙の予想および解説を担当。日本の芸能文化全般を研究する「JAPAN芸能カルチャー研究所」の代表も務める。

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