「『きみが心に棲みついた』(TBS系)は、今をときめく吉岡里帆に、桐谷健太(37)、向井理(35)というキャスティングに無理があると思います。この並びだと、なかなかキャストが決まらなかったんだなと予想できますね。しかも、そもそも原作が結構なハードな企画で、モラハラ描写などは見ているのが辛いものがあります。火曜日の22時にはハードな作品はあんまり見たくないのかな、と思うんですけどね……。また吉岡は、その大役を務める意気込みからか、現場でかなりナーバスになっているといいます。なんとかふんばってほしいところです」(スポーツ紙の芸能担当記者)
こうして注目女優たちの苦境が伝えられる一方で、ベテラン勢は調子がいい。前作が高視聴率だった「99.9-刑事専門弁護士-」(TBS系)は初回から2連続で15%超えの好発進。また石原さとみの「アンナチュラル」も初回12.7%、第2回も13.1%と調子がいい。(視聴率はビデオリサーチ調べ、関東地区)
「『アンナチュラル』は石原さとみが持っている潜在的な数字が8~9%くらいでしょう。なので、このまま2桁視聴率を推移していたら成功と言えるでしょうね。実際評判もいい。また、前シーズンが高視聴率だった『99.9』は、今クールでも間違いない作品。ただし、今回は2シーズン目なので、前作が好きだった人が続いて見ているという感じもある。新たな視聴者をどう取り込むかが課題で、それをクリアすれば今のドラマ界で大ヒットの指標となる20%超えもあるでしょう」(前出のプロデューサー)
ジャニーズ勢は俳優班のエースである松潤が安定の好発進をみせているようだが、ほかはどうだろうか。
「キムタクのドラマは、なんだかんだ2桁いくはず……キムタクの潜在的な視聴率はいつも安定していますからね。放送も刑事ドラマに強いテレビ朝日ですし、手堅い作りになりそうです。一方で、もともと“SMAP枠”といわれていたフジテレビ火曜9時枠は、亀梨和也主演の『FINAL CUT』。しかし、初回、第2回とそれぞれ視聴率が6~7%台で、出だしから苦戦が続いている。このドラマは、関西テレビの制作なので、キー局に比べたらどうしてもプロモーションが難しく、これくらいの数字でもそれなりに健闘しているほうだと思うんですが、昨年の同じ枠で放送された草なぎ剛主演の『嘘の戦争』は高視聴率だったので、どうしても見劣りしてしまう。もしかしたら、見込んでいたはずのジャニーズファンたちがこうした裏事情を汲み取って、割れてしまったのかもしれません」(同)
作品の質ではなく、俳優たちが抱える事情も視聴率に影響してくるのが昨今のテレビドラマ。一方で、ドラマ自体が良質であれば、放送後に評価され、ネットなどで後追いで楽しむ環境も充実してきている。気になる作品があれば、ぜひチェックしてほしい。(ライター・黒崎さとし)