山本:外資系企業と比べるとレベル感が違うことはわかります。

村上:昭和時代の、イケイケドンドンのスタイルが、少子高齢化で国力が落ちている今も続いている。電通やNHKで亡くなった人もいます。本当の働き方改革がなってないなら自分で改革すればいいじゃんと僕は思うわけです。

山本:つらい思いをして働いている人は、「ここをクビになったら次があるか」という不安を抱えて我慢している。会社に依拠しているスキルばかり積み重ねてきたので、他の会社に行ったら自分の培ったものをなくしてしまうかもしれないという恐れがあるんです。そもそも日本では、納税の仕方を含め一人で稼いで生きていく方法を、あまりきちんと教育されていない。フリーランスがどういうものか理解されていないから、「フリーランスってスタバでドヤ顔でMacBook開いているやつだろう」と思われるわけです。

村上:日本企業の悪しき文化ですね。囲い込んだ人を出したくない。転職の流動性を高くしてしまうと、人材を確保するためのコストが増大するので、長く会社にいてくれたほうが企業にとっては都合がいい。そのために会社でしか通用しないスキルを学ばせ、「他社に行ったらうまく行かない」という強迫観念を植え付けて社畜にする。この人ならフリーランスになって収入アップできるポテンシャルを持っていそうと思うような人でも、固定観念を植え付けられたせいで視野が狭くなっている。客観的に見ていて、とてもかわいそうに思うんです。

■上司との相性が悪ければ組織の外に出ればいい

山本:組織という抽象的なものにロイヤリティを求める傾向は強い。朝は5分前集合、社歌を歌う、みんなで体操する、そういったルーティンを強制して不文律をどんどん作って、会社にしがみつくことが最大の美徳と思わせている部分は拭いされません。

村上:一企業、一部署にいると自分の上司は絶対の神で、この人に逆らったら昇進できないように思えてしまうというところもありますね。コンサルタントを派遣する仲介役のエージェントは、「『この人は優秀な人』とは絶対に言わない」と言っていました。「優秀かどうかはクライアントとの相性で決まる、優秀でも相性が悪ければ優秀ではない」と。

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