村上:僕は決して優秀な人間ではないですよ。
山本:また、何言ってるんですか(笑)。
村上:僕は単に尖っているだけです。日本の義務教育は、国語も数学も体育も全部平均点が高いジェネラリストを理想像として育てる仕組み。それを日本では「優秀」と呼ぶ。僕は、アクセンチュアに6年間いる間に、総合評価で5段階のうち2をもらったことがある。一時期落ちこぼれだった。僕は独立後にプロジェクト管理のスペシャリストとして、自分のスキルを先鋭化しただけ。フリーランス界隈では総合的に優秀である必要はないんです。
山本:そう言えるのは優秀だからですよ。村上さんは稼ぐためのスキルをきちんと持っているだけでなく、イケメンで、立ち居振る舞いが人を不快にさせない。海外にいって、国籍も違う初対面の人と肩を組んで写真を撮って、それをウェブにアップしたりしてるじゃないですか。同じことを「山本さん、やってください」と言われてもできないですから。セルフブランディング力もあるし、本だって出したいと言っても普通は出せない。かなり恵まれていると第三者的に思うんですがね。
村上:旅先で初対面の人とフレンドリーに接するのは、優秀うんぬんじゃなくて、単なる性格の問題ですよ(笑)。セルフブランディングについては、「恵まれている」わけでなくて、好きなことをとことん追求したら結果的にこうなったというだけです。話を戻すと、仕事については自身が持っているスキルを特定の分野で先鋭化することができれば、僕は誰でも独立可能だと思っています。
■日本企業が社員を「社畜」化する理由
山本:まあ、それとですね、外資系だと長期のバケーションが当たり前。フリーランスである必要はないですよね。日本の働き方と村上さんの追求したいものがミスマッチなだけでは。
村上:確かに外資系だと、数カ月バケーションを取っていい企業もありますね。そういう企業が日本にあって、それでQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)に満足できるなら問題ない。ただ、今の日本企業の状況を見たときに「働き方改革」と言いながらやっている施策は小手先のものばかりで、ちゃんちゃらおかしいです。