山本:勤め人は組織に評価されるかされないか、一つのベクトルしかない。外部から見ると「もっと能力に見合った評価をしてくれるところで働けばいいのに」と思うことはありますね。
村上:そうなんですよ。上司との相性が悪ければ、いつまで経っても昇進できないのがサラリーマンの辛いところ。ならば一度組織の外に出て、自分の能力を正当に評価してくれる、居心地のいい場所を見つければいいだけなんです。
山本:もしくは、“この人に頼まないとできない仕事”をいかにつくるかということですよね。
村上:それができれば、フリーランス界隈では引く手あまたです。とにかく組織や上司に不満があるならば、自由競争の人材マーケットに勝負に出て、自分で「働き方改革」を断行すればいい。今や政府がフリーランス市場の調査に乗り出すほど、人材の流動性は活性化してきています。今より早いスタート地点はない、とはよく言ったもので、社畜生活に危機感を募らせているサラリーマンには、是非次の一歩を踏み出してほしいと思っています。
(取材・構成/安楽由紀子)
村上アシシ/1977年札幌生まれ。ITコンサルタント・プロサポーター。東京理科大学卒業後、外資系コンサルティング会社のアクセンチュアに入社。2006年に個人コンサルタントとして独立以降、半年で1年分稼いで、残りの半年を旅して暮らす「半年仕事・半年旅人」のライフスタイルを確立し、継続している。最新刊『半年だけ働く。』(朝日新聞出版)
山本一郎/1973年東京都生まれ。著作家、ブロガー、投資家、経営者。慶應義塾大学法学部政治学科卒業。2000年IT技術関連のコンサルティングや知的財産権管理、コンテンツの企画・制作を行うイレギュラーズアンドパートナーズ株式会社を設立。近著に『読書で賢く生きる。』(共著、ベスト新書)