巨人・中井大介 (c)朝日新聞社
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 気がつけば、2月1日のキャンプインまであと半月を切った。プロ野球が恋しくなるこの季節だからこそ、改めて2017年シーズンの出来事を振り返っておきたい。「プロ野球B級ニュース事件簿」シリーズ(日刊スポーツ出版)の著者であるライターの久保田龍雄氏に2017年シーズンの“B級ニュース”を振り返ってもらった。今回は「本塁打の陰のドラマ編」である。

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 中日の31歳内野手・谷哲也が6月24日の巨人戦(東京ドーム)、入団10年目の初本塁打を記録した。

 4対0とリードした7回2死一、三塁、森野将彦の代打として登場。森福允彦の初球、低めの直球を鋭くミートすると、低い弾道の打球は左中間席ギリギリに着弾するダメ押し3ランになった。

 これまでにも通算本塁打ゼロのネタで散々いじられ、「みんなに(プロ初本塁打を)抜かれ、しまいには(投手の)バルデスにも抜かれた」とあって、うれしさも格別だったが、「ナゴヤドームでは入っていないと思う」と本塁打の出やすい東京ドームに感謝するひと幕も。

 谷といえば、入団以来背番号「36」を着けていたが、2014年に小笠原道大が移籍してくると、「36」を譲る形で「支配下選手ギリギリ」を意味する「70」に変更。同年は「崖っぷちの気持ちで頑張る」と心機一転、見事2週連続のお立ち台を実現した。

 ところが、2年後の2016年オフ、今度は「戦力外」の風評被害に悩まされる。同年はシーズン通して1軍に在籍し、代打で2割9分5厘と結果を出したことが評価されて、ついに1千万円プレーヤーの仲間入りをはたした。それがなぜ「戦力外」なのか?

 実は、秋季練習打ち上げの際に、コーチ陣やナインと握手やハグを繰り返したことが、思わぬ誤解を生んでしまったのだ。

 この光景を目撃したファンが“お別れの挨拶”と早とちりしたことから、SNSで「谷は戦力外らしい」と風評が拡散。騒動は、回り回って、なんとヤフーのトップ記事にまでなった。口では「僕がヤフートップ。人生最初で最後でしょう」と冗談めかした谷だったが、内心では戦力外騒動を新たな発奮材料に人知れず努力を続け、10年目にして悲願の初アーチを実現。9月6日の巨人戦(前橋)でも、6回に田口麗斗から左翼ポール際に勝利を決定づける2号3ラン。プロ1号がフロックではなかったことを証明した。

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巨人、球団通算1万号のゆくえ