呼吸が戻らなければ、警察が関与することもあり、どちらにしても「家族と生活しながら静かに最期を迎える」のとは程遠い状態になってしまいます。
「死亡診断書」の交付という手続き上の問題も発生するかもしれません。病院到着時に死亡していると、そのままでの死亡診断書の交付には法律の壁があります。こんなとき、在宅医療の主治医のように、継続して診察している医師なら、医師不在時の死亡に対しても死亡診断書を出せることになっています。
患者の意識がはっきりしているうちに、最期の迎え方を相談し、人工呼吸や人工栄養などの延命処置を望まないのであれば、「呼吸が止まったら主治医か訪問看護師に連絡」と確認し合い、あわてずそのとおりに実行することが大切です。
(取材・文/近藤昭彦)
監修/太田秀樹医師(全国在宅療養支援診療所連絡会事務局長、医療法人アスムス理事長)