富岡八幡宮は、今年に入って神社本庁から離脱している。その理由は、先代宮司の父親が10年に退任した後、同八幡宮の責任委員会が長子さんを宮司にするよう神社本庁に具申したが、7年にわたって任命されないままだったという。任命しない理由も不明なため、神社本庁から離脱することを決めた。

 過去にも神社本庁は、大分県宇佐市の宇佐神宮の責任委員会が世襲家の末裔の女性を同神宮の宮司にするよう具申したが、神社本庁は「経験不足」を理由に任命を拒否、14年5月に女性を同神宮から解雇した。

 家族のトラブルや女性差別など、世の中の不条理と格闘していた長子さんは、ブログではこんなことも書いていた。

「修業をするためにこの一族に生まれ、何度も死にたいと思う苦しみを乗り越えて、ここを修業の場だと思う事で、人生が舞台に見えて来たのです。今現在の私の人生は幸せでも不幸でもありません。自分の為に生きなくなると、幸せや不幸はあまり感じなくなりますし、価値を感じなくなります。他の人が幸せそうに笑ってくれたり、喜んでくれる事が、自分の幸せになるのです」(AERA dot.編集部・西岡千史)

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