沖縄の選挙は、たとえ人口数万の小さな市の選挙であっても国政に大きく影響する。本土与党である自民党は、全国の各選挙で勝利を収めていても沖縄でこのような状態が続いていることを大変に苦々しく思い続け、一致団結する沖縄を死にものぐるいで崩そうと取り組んできた。4年前の名護市長選挙でも、6万人の地方の小さな街の選挙に、自民党からは選挙応援に小泉進次郎議員や石破茂幹事長(当時)が送り込まれた。石破氏は「名護市に約500億円規模の振興基金を立ち上げる」とすら発言した。「金で沖縄を買うつもりか」と強い反感を地元の人たちから買ったこともあり、4年前の選挙では、稲嶺進氏が大差をつけて再選されている。
もっとも、その後も自民党は懸命に切り崩しを図り、沖縄県内各市の首長選挙で反「オール沖縄」の候補者を当選させてきた。また、2018年選挙イヤーの前哨戦となったこの10月の衆議院選においては、沖縄に4議席ある小選挙区のうち、米軍基地と関係の薄い宮古島など離島の影響もあって、自民党側が一議席を奪いかえしている。
さて、2018年の沖縄の選挙はどうなるか。
この衆院選で「オール沖縄」が一議席を落としたのは、保革を超えて集まる「オール沖縄」陣営の象徴ともいえる、翁長知事と同じ政治的背景を持つ元自民党の保守派であった。今後、「オール沖縄」側の鍵となるのは改めて保守層をどのくらい取り込めるか、という点である。