人体のエネルギーシステム
人体のエネルギーシステム
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 食べたいものを我慢してカロリー量を減らしているのに、生活習慣病や体脂肪の増加に悩ませられる人は多い。しかし、無理な食事制限は必須栄養素をとれず、健康を害するリスクもある。健やかな体づくりに効果的とされる「低糖質」の知識とコツを、Reライフマガジン「ゆとりら秋冬号」の特集「今日からはじめる低糖質生活」から紹介する。

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 糖質は、ごはんや麺類、パンなどの小麦製品、甘いお菓子や飲み物などに多く含まれる栄養素です。この糖質が体内で血液に取り込まれると、血液中に含まれるブドウ糖の濃度「血糖値」が上がります。血糖値の変動は、健康と密接な関係があり、急激な変動をくり返すと、血管を傷つけるなどして、生活習慣病のリスクを高めます。これらのリスクを減らすため、糖質の量を控えた食事をとることが大切です。

 低糖質の効果としてあげられるのは、「体脂肪を効率的に減らせる」「脂質代謝異常や高血圧など、生活習慣病のリスクを減らせる」の二点です。

 これらの効果をもたらすメカニズムの鍵となるのが、人体のエネルギーシステムです。

 人体のエネルギーは、大きく二つあります。一つは、血液中に含まれる糖類の「血糖」。もう一つは、皮下や内臓に蓄えている「体脂肪」です。

■糖質を減らせば体脂肪が減る理由は?

 この二つのエネルギーには優先順位があります。まず使われるのが「血糖」です。人が糖質を多く含む食品を摂取すると、体はその「血糖」を優先的にエネルギーとして使おうとします。この血糖が使われていると、内臓や皮下に蓄えている「体脂肪」の燃焼はストップします。

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