技術は安くなっているのだ。

 精度も上がっている。今年8月、「みちびき」の3号機が打ち上げられた。準天頂衛星システムの最新機で、これによって何が変わったかというと、GPSの一致性誤差が6センチになった。ということはGPSセンサーを郵便物につけたら、家のポストまで届いたか、それが家の中に取り込まれたか、部屋のどこに置かれたかまでわかるということだ。高さ方向は12センチなので、1階にあるか2階にあるかも区別できる。階段の下から何番目に置かれているかも、わかるのだ。

 こういったセンサーはスマホだけでなく、自動車にも詰め込まれている。そのセンサーを動かすためのCPUも詰め込まれている。ざっと、1台の自動車には50個分のスマホのようなものが入っていると考えても、さほど見当違いではないだろう。

 ここで気づく人は気づくはずだ。自動車は電子部品の塊だし、エンジンにかかるコストより電子部品にかかるコストの方が高そうだ。

 スマホというのは実にいい“例”だ。ベルが一生懸命電話を開発してから140年ほど経ち、通話のためのツールは、誰もが気軽に使える先端技術の塊となった。そして現在、あらゆるツールのスマホ化が進んでいる。昨今言われているIoTというのは要するに、このあらゆるもののスマホ化のことだ。

 この流れは、好むと好まざるとに進んでいく。だからいつまでもスマホを使わない、古いものを買い換えないということは、自らその流れから取り残されようとすることだ。

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