「ただし、肩こりのメカニズムが明らかでない以上、確実に効くという治療法はありません。段階的に試してみて、その人に合う方法を見つけていきます。当院ではまず、電気治療の一種である低周波療法や温熱療法などの物理療法をおこないます。低周波療法では筋肉を動かすことによって筋肉をほぐしたり、血流を改善したりして肩こりを緩和します。消炎作用のある湿布を処方することもあります。軽い肩こりの場合、こうした治療でよくなるケースは少なくありません」(同)
よくならない場合は理学療法士による運動療法をおこないます。このほか、正しい立ち方やパソコンをするときの座り方など、僧帽筋に負担をかけない姿勢についてもアドバイスしているそうです。「僧帽筋の緊張をとる肩回しなどの『肩こり体操』も指導しています。肩こり体操はセルフケアとしておすすめです。インターネットなどで紹介されている方法から、好みのものをやってみるといいと思います。
セルフケアとしては、ほかにパソコンやスマホを長時間せず、適度な休憩を入れることが大事です。30分経ったら席を立つ、トイレに行く、ということを実行すると、ずいぶん違うと思います。私自身もこの方法を実行しています。なお、ストレートネックなど肩こりになりやすい人はさらにこまめに休憩をとるといいでしょう」(同)
監修/新井貞男医師(あらい整形外科 院長)
(取材・文/狩生聖子)
※週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」から抜粋