僧帽筋を中心とした肩周囲の筋肉が緊張すると血流が悪化し、酸素や栄養が筋肉に届かなくなる。やがて新陳代謝が悪くなって疲労代謝産物がたまり、血管や神経が圧迫されて痛みが起こる
僧帽筋を中心とした肩周囲の筋肉が緊張すると血流が悪化し、酸素や栄養が筋肉に届かなくなる。やがて新陳代謝が悪くなって疲労代謝産物がたまり、血管や神経が圧迫されて痛みが起こる
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「たかが肩こり」と思って放置していませんか? 甘くみていると、重大な病気がひそんでいることも。発売中の週刊朝日MOOK「腰痛 肩こり ひざ痛のいい病院」では、肩こりの主な症状について取材。まずは原因を知ることからはじめましょう。

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 首から肩にかけての筋肉が張った感じやこわばった感じ。重圧感や不快感、鈍痛……。肩こりや首こりに悩んでいる人は多いでしょう。そもそも「こる」とは、どのような状態なのでしょうか。

 あらい整形外科院長の新井貞男医師はこう話します。

「欧米諸国には肩こりに相当する言葉はなく、日本独特の訴えです。また、肩こりは病名ではなく症状ですが、そのメカニズムはいまだ明らかではありません。考えられる原因も多岐にわたります」

 最も多いのは筋肉のこりによるもので、一般的な肩こりはこれに相当します。なお、こうした肩こりの原因として近年、筋肉などを覆っている筋膜(きんまく)が注目されていますが、科学的根拠とするにはもう少しデータの集積が必要ということです。

 一方で、頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアや高血圧など、病気が原因と考えられる肩こりも少なくありません。「ヘルニアがあることに気づかないまま、筋肉のこりを改善しようとマッサージなどを受けた結果、症状が悪化したケースなどの報告があります。また、肩こりの原因が内科的な病気である場合、心筋梗こう塞そくなど放置しておくと命にかかわるものも。肩こりが続く場合は一度、整形外科で診断してもらい、そのうえで自分に合った治療を受けることが大事です」(新井医師)

■筋肉や目の疲れが原因になることも

 筋肉のこりによる肩こりには、大きく(1)筋肉の使いすぎ、(2)同じ姿勢を長時間続けた場合、(3)眼精疲労、の3タイプがあります。「筋肉の使いすぎはスポーツや肉体労働などで重い物をかつぐなど、僧帽筋に負担をかけることで起こります。運動会で走った翌日に足が痛むのと同じメカニズムです。こうしたタイプの肩こりは安静や湿布だけでよくなることが多いです」(同)

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