夫婦をはじめとした基本的な人間関係が良好で、自分の居場所がある、誰かが守ってくれるという第3の自信は、人生を支えてくれる土台のようなものです。ここが安定していることは、あなたを“底支え”してくれるのです。
■「ありがとう瞑想」でスッと落ち着ける
そうは言っても、「異文化の遭遇」である夫婦の間では、なかなか冷静ではいられない場面も多いですよね。そこで、私がいつもクライアントに話している、「ありがとう瞑想」と名付けた素敵な方法を紹介しましょう。
言い争いになった、腹が立ったなどの場面にあったら、まずは可能な限り、その場、相手から離れること。そこで、深呼吸を大きく2、3回行う。次に普通の呼吸に戻し、その呼吸に意識を向けるようにしてください。
それでも多くの場合、今あったホットな出来事や、イライラした感情が頭をめぐってきます。その感情に、「ありがとう」とつぶやいてください。その後、呼吸に意識を戻す。また、すぐに感情がめぐってきても、そのたびに「ありがとう。でも今は、私は呼吸に戻るよ」と言って、呼吸に意識を戻す。
この「ありがとう瞑想」を繰り返すことで、比較的短時間で落ち着くことができます。呼吸への意識の向け方は、鼻から入ってくる空気を意識してもいいし、お腹のふくらみを観察してもいいし、ただ呼吸を「数える」という方法でも、各自の好きな方法でかまいません。
■最悪パターンを回避する
なぜ、この方法が効くのでしょうか?
一番良くないのが、イライラを拡大させてお互いを攻撃し合うこと。攻撃されて傷ついた思い出は、深く長く残ります。また、そんな相手が近くによるだけで、緊張して疲れてしまいます。結果的に、相手を嫌いになるし、家庭を安心の基地とは思えなくなります。
では、我慢すればいいのでしょうか。大切な人間関係だからこそ、「我慢」に頼る人も多いものです。ところが、我慢だけだと結局、破たんしがちです。確かに攻撃はしないでしょうが、我慢はとても大きなエネルギーを使うからです。しかもその状態が長く続きます。これも、結局、相手が自分に我慢を強いる存在になって嫌いになり、安心できません。