仕組みよりも根性で問題を解決しようとしたり、スペルミスをなくすことよりも世界平和を実現させるほうが重要であり自分はそこに関与できると夢想したりする人、つまり文系脳の持ち主には、こういったイノベーションは無理だ。
得てして、世界を変えようと鼻息の荒い人よりも、目の前の課題をクリアしようとしている人の方が、あっさりと世界を変える。
世の中を見てみると、これはという打ち込めるものを持っている人は、政治や経済の話題にはほとんどコメントしていない。話が食べ物や天気に終始することもない。世界平和を願うにしても、自分ならどんなやり方でそれに貢献できるかを知っていて、そこに集中している。自分の影響力はどの分野で最大限に行使できるかを知っているから、無関係の分野、言及しても影響力を及ぼせない分野での言論に時間を使わない。
テレビのコメンテーターたちを見るとそれがすぐわかる。脳科学者、マーケッター、俳優、弁護士などが多数出演しているが、そのほとんどの人は本業で大成していない。
理系脳の持ち主は、何について話すかと同じくらい、何について話さないかを明確にしているのだ。