魔女は、言うことを聞かない子どもをさらっていく設定です。息子は「魔女はキラキラする粉を出すもの」と勝手に思っているようなので、リアリティーを出すために、たまにマニキュアや糊のグリッター(ラメの入ったもの)を机や床につけておきます。そして「はっ! これは……、近くに魔女が来ていたようだね……」と呟き、ちゃんと存在するのだということをアピールしておきます。

 最終兵器は、飲み会のとき酔っぱらった編集者さんがくれた「マツコ・デラックス」の被り物マスク。持って帰るのが邪魔すぎてすごくいらないと思っていましたが、現在これが非常に役に立っています。マツコのマスクをかぶると、大人でも、「うわっ!」と声を出してビックリするくらいのインパクトがあります。息子がどんなに寝ないでまだ遊びたいと駄々をこねても、マツコが出てくると大号泣。「もう寝ますから! もう寝ますから!」と自分で支度を始めます。息子は比較的頑固なほうだと思いますが、マツコのおかげで非常にラクになりました。

 そんなマツコをくれた編集者さんには、感謝してもしきれません。あのときはレシートまで取り出して返品しようとしてすみませんでした。(文/杉山奈津子)

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