水爆とみられる装置を視察する金正恩朝鮮労働党委員長(中央)(朝鮮中央通信HPから )
水爆とみられる装置を視察する金正恩朝鮮労働党委員長(中央)(朝鮮中央通信HPから )
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 トランプ米大統領と金正恩・朝鮮労働党委員長のにらみ合いが激化するなか、北朝鮮は9日に建国記念日を迎える。

 韓国の李洛淵(イナギョン)首相は7日、建国記念日に合わせて北朝鮮が大陸弾道弾ミサイル(ICBM)を発射する可能性があると指摘した。トランプ氏も同日、「われわれが軍事力を使えば、北朝鮮にとって悲惨な日になる」と警告した。

 米朝開戦となれば、米軍基地を抱える日本も戦争の当事者となる。コリア・レポート編集長の辺真一氏は言う。

「まず、北朝鮮が米国に先制攻撃することはありえません。それは子犬がドーベルマンに食ってかかるようなもので、金正恩体制の崩壊につながる行動だからです。北朝鮮はそこまで愚かではありません。一方、米国が北朝鮮を先制攻撃する可能性はあるでしょう」

 トランプ氏は今年4月、シリアの空軍基地に巡航ミサイル爆撃をした。シリアのアサド大統領が、化学兵器による空爆を同国内で行ったと判断したためだ。トランプ氏の"レッドライン"を越えたことで、国連安全保障理事会の承認も取らないまま、軍事行動に踏み切った。

 現在の米朝のにらみ合いも、トランプ氏が「レッドラインを越えた」と判断すれば、軍事作戦を展開する可能性が高い。問題は、その一線がどこにあるかだ。辺氏は言う。

「北朝鮮は、グアムに向けたミサイル発射計画をすでに公表しています。緊張緩和がない限り、実施まで時間の問題。一方、グアムや米国本土近くの公海へのミサイル発射を、トランプ氏は『レッドラインを越えた』と判断するかもしれない。そうなれば、北朝鮮のミサイル発射基地に絞って限定攻撃するシナリオは、十分に考えられる」

 攻撃を受けた北朝鮮は、ミサイルによる報復攻撃をするだろう。もちろん、日本や韓国も標的だ。

 このようなシナリオの軍事衝突の可能性について辺氏は、「70%以上ある。むしろ、北朝鮮は米国とミサイルの応酬になってはじめて、対話による交渉ができるようになると考えているだろう」と分析する。

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