さらに、LINEやFacebookも中国では利用できないので注意が必要だ。

 短期の滞在ではあっても、家族や友人への連絡や中国滞在の近況報告でSNSを使いたい人も多いはず。これが利用できないのはかなり痛いものだが、さらに困るのはときどきつながることもあること。

 いくら中国の検閲とはいえ、完全ではないから起こるようだが、一度つながる経験をすると、「今度はつながるのではないか?」と何度も「送信」ボタンを押すことになるようだ。これは、つながらないといさぎよくあきらめてしまうほうが無難。

「でも、中国にいる友人はGmailやFacebookを使っている」という方もいるだろう。それは「VPN」という中国の検閲を回避する特殊なサービスを利用しているためだ。

 VPN(Virtual Private Network)はネット上の技術だが、この場合大まかにいうと、「実際にいる場所ではないところからネットに接続しているように見せる技術」ということになる。中国以外の場所からアクセスしているように見せて、ネット検閲を回避するわけだ。中国在住者にはこのサービスを使っている人も多いが、100%回避できるわけではない(GmailやFacebookが完全に使えるわけではない)こともあり、出張など短期滞在する人が限られた時間のなかで使いこなすのは難しい。また、2017年1月に中国政府は「無許可のVPNの取締り強化」を発表したため、今後、使用に影響することも予想される。

 中国でよく使われるSNSといえば、WeChat(ウィーチャット/微信ウェイシン)。これがないともはや仕事にならないし、生活でも不便を感じる。中国に駐在している日本人でも、その利用率は非常に高い。中国をたびたび訪問する人や中国ビジネスに携わる人にはマストアプリである。

 WeChatのIDを交換すれば、帰国後も中国国内の関係者とスムーズにコンタクトがとれる。使い方は、LINEと同じで、チャットで連絡をとりあったり、スタンプや写真を送ったりすることができ、通話もできる。

 これから出張という方は、日本にいる間に登録して使いはじめることをおすすめする。中国に行ってから登録しようとすると、ネットがうまくつながらなかったり登録のためのメールアドレスにうまくつながらなかったり、と手間がかかる。事前にできる準備は事前にしておいたほうが得策。そして「入郷随俗(郷に入っては、郷に従え)」で、短期滞在では、上手にこれらのネット環境とつきあい、無用なストレスを抱えないようにすることも大切だ。

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