5月26日に行われたファンタジー・オン・アイスに出演した羽生結弦 (c)朝日新聞社
5月26日に行われたファンタジー・オン・アイスに出演した羽生結弦 (c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 ショーの最後にマイクを持ち、会場を埋め尽くした観客に挨拶した羽生結弦は、久しぶりにアイスショーで滑ることができて「幸せ」だと語った。

 5月26日、千葉市・幕張イベントホールでアイスショー「ファンタジー・オン・アイス」が行われた。羽生は昨年の同公演には、左足甲に負った「リスフラン関節靱帯(じんたい)損傷」の加療のため、ピアニストの生演奏との「ビデオ映像コラボ」という形でしか出演できなかった。その映像はソチ五輪後の2014-15・15-16と2シーズン続けて滑ったショートプログラム「ショパン バラード第1番」のものだったが、今年の資料に記載されている羽生のプログラムもまた「バラード第1番」。1年前は映像でしか披露できなかったプログラムを、今年は生身の羽生が滑るということになる。

 ショーが進み、宇野昌磨やハビエル・フェルナンデスが来季のショートプログラムを披露していく。「大トリ」の羽生が登場すると、羽生が滑るのも来季のショートであることがアナウンスされた。

 15-16シーズン、NHK杯とグランプリファイナルで立て続けに世界歴代最高得点を更新した「バラード第1番」。まっすぐに立ち、音が鳴ってもしばらく目を閉じたまま動かない印象的な最初のポーズはそのままだが、ジャンプの構成はより高難度になっていた。冒頭、4回転サルコウに続き4回転トゥループ―3回転トゥループを組み込み、後半に3回転アクセルを入れる当時のものから、冒頭に4回転ループ(この日は実際には2回転になる)、おそらく後半に入ってから3回転アクセル、4回転トゥループ―3回転トゥループを跳ぶ構成に変更。ソチ五輪で金メダリストとなり、さらに驚異的な世界歴代最高得点をマークしてからも、平昌五輪に向け常に前進し続けてきた羽生の進化を反映するジャンプ構成といえる。

次のページ