マンガ文化に大きな足跡を残した手塚治虫の業績を記念する「手塚治虫文化賞」(朝日新聞社主催)の第21回受賞作と受賞者が発表された。
年間のベスト作品に対して贈られるマンガ大賞は、弓道を通して男女の関係を描いた、くらもちふさこさんの『花に染む』(集英社)に決まった。
斬新な表現、画期的なテーマなど清新な才能の作者に送る新生賞には、『昭和元禄落語心中』(講談社)の雲田はるこさん。同作の、落語を巡る愛憎劇に高座の巧みな描写を織り交ぜた清新な表現に対して贈られることとなった。
短編賞は、『夜廻り猫』(講談社)の深谷かほるさんに決まった。同作は、ツイッター発の8コマ漫画で、口コミで人気を集め、単行本化された作品だ。
また、『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(集英社)40 年の連載完結を評して、マンガ文化の発展に寄与し個人・団体などに贈られる特別賞に秋本治さんが決定した。
選考委員は、女優の杏さん、漫画家の里中満智子さん、学習院大学フランス語圏文化学科教授の中条省平さん、漫画編集者の中野晴行さん、漫画解説者の南信長さん、漫画家のみなもと太郎さんなど。今年は社外選考委員として、桜庭一樹さんが新たに加わった。
贈呈式は5月31日に東京・浜離宮朝日ホールで開催される。