選手としてはバンクーバー五輪で銀メダルを取っていますが、成績より記憶に残る選手でした。何よりも「浅田真央」というイメージが一度も狂うことなく、長い選手生活を終えたのも本当に素晴らしい。普通の女の子なら、高校生や大学生になったら遊びたいとか冒険してみたいという気持ちが出てくるころです。

 人によっては異性を意識したり、タバコやお酒に好奇心が出たりするかもしれません。でも、天使のようなイメージのままで、「真央ちゃんらしくないな」とファンをがっかりさせることが無かった。それは本当にすごいことです。

 26歳というと一般社会人としては新人ですが、アスリートとして小中学生から一線で活躍し、毎日6時間から8時間の練習を続けてきたわけですから決して短くありません。これまで大きなケガがなかった彼女が試合後に足や腰の痛みを明かしたこともありました。

 これから現役選手を離れ、選手として守られてきたカバーのようなものがなくなります。女子選手の中には引退してイメージが悪くなってしまうケースもあるので、「真央ちゃん」のままでいてほしい。羽を伸ばすような行動が少し心配ですね。これはもう母親の気分です。多くのみなさんが「真央ちゃん」を守っていきたいと思っているでしょう。

 女性としてどう生きるかは、お姉さんの浅田舞さんが一番の相談相手になる。お母様はお亡くなりになっていますが、姉妹の絆を深めて、互いに支え合って今後も活躍してほしいと思います。(取材・構成/dot編集部・金城珠代)