引退を表明したフィギュアスケートの浅田真央(26)。その裏にはどんな思いがあったのか。1979年のウィーン世界選手権で日本人選手初のメダルをもたらした元フィギュアスケート日本代表の渡部絵美氏が語る引退の理由とは――。
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まずは26歳という年齢まで頑張ってこられて、お疲れさまでしたと言いたいです。引退を決めたのは、今年3月の世界選手権で若い選手の活躍を見て、時代が変わったという感覚があったのではないでしょうか。
個人的にはイタリアのカロリナ・コストナー選手が3大会ぶりに復帰して、真央ちゃんにも希望を持たせてくれたと思ったのですが……。
来年の平昌(ピョンチャン)五輪の国・地域別の出場枠が1つ減り、2枠になったことも引退の理由になったかもしれません。若い選手たちは枠を取るために必死です。かつては真央ちゃん自身もそうでした。今では自分が一番年上になり、下から押される立場になりました。引退は後輩たちにチャンスをあげたいという、彼女なりの優しさだったんじゃないかと思います。