大事な親や家族は悔いを残さず優しく送ってあげたいもの(※写真はイメージ)
大事な親や家族は悔いを残さず優しく送ってあげたいもの(※写真はイメージ)
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 介護の先に訪れる「看取り」。大事な親や家族は悔いを残さず優しく送ってあげたいものです。そこで、看取り期に表れる体の変化や看取りで行われるケアや看護について、介護のプロ、白十字ホームの西岡修さんが著書『家族に介護が必要な人がいます 親の入院・介護のときに開く本』で教えてくれました。

■看取り期に現れる体の変化

 医師の宣言を受けて始まる看取り期。寝たきり状態の末、いよいよ告げられることもあれば、末期ガンなどの場合、突然告げられて驚くこともあるでしょう。個人差がありますが、死が近くなるこの時期には身体機能の低下にともなって、それまでは見られなかったさまざまな変化が現れてきます。

(1)死の1カ月前頃の変化

 周囲への関心がしだいに薄れてきます。人に会いたがらなくなり、新聞やテレビを見ることも少なくなってきます。声かけに対する反応も減り、会話も続かなくなります。また、食事の量も減り、やせ衰えた姿が目立つようになります。

 こんな時、「ほら、好きなテレビが始まったよ」「ご飯を食べないと元気になれないよ」と無理に話しかけたり、食事を強いたりするのは禁物です。衰えを素直に受け止め、静かに寄り添いましょう。ごくまれですが、この段階から回復する事例もあります。

(2)死の2週間~1週間前頃の変化

 眠っている時間の方が長くなります。本人に話しておきたいことがあったら先送りせずにしておきましょう。また、認知症でもないのに故人となった人に会ったと話したり、家族に会っても誰だか分からなくなったりします。このような状態が「せん妄」です。脳の機能低下や薬による体の状態の変化が原因の一種の意識障害なので、「そんなわけはない」と邪険に扱わず、耳を傾けてあげましょう。この頃になると血圧が低下し、心拍数や呼吸、体温も不安定になるなど身体機能の低下も明らかになってきます。

(3)死の数日前~数時間前頃の変化

 意識が混濁あるいは不明な状態になり、声をかけても目を覚ますことが少なくなります。一方で、ほんの一時だけ元気を取り戻すこともあります。このような現象を「中治り(なかなおり)」といいます。医学的メカニズムは不明ですが、この瞬間が親や配偶者と言葉を交わす最後のチャンスです。自分の気持ちや、それまで言えなかったことを伝え、悔いが残らないようにしましょう。

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