ソフトバンクでは、千賀(左)と松田(右)を筆頭に多くの選手がWBCに出場。シーズンへの影響は?(写真:Getty Images)
ソフトバンクでは、千賀(左)と松田(右)を筆頭に多くの選手がWBCに出場。シーズンへの影響は?(写真:Getty Images)

 11.5ゲーム差をひっくり返された屈辱は忘れない。昨季は圧倒的戦力で前半戦に独走状態を築きながら、最終的に北海道日本ハムに逆転を許した福岡ソフトバンクドラフトの目玉を引き当て、強力外国人の獲得に成功した今季も、パ・リーグはこのチームを中心に動いていきそうだ。

 FAで森福允彦、戦力外で細川亨と、バッテリーの実績ある選手が抜けたが、ドラフトでは5球団が競合したアマチュアNo.1右腕の田中正義を獲得し、絶対的存在がいなかった4番候補に千葉ロッテを退団したデスパイネを獲得した。ドラフト前には12球団競合の声まであがった田中だが、オープン戦では登板がなく、開幕一軍入りは微妙な状況になっている。それでも先発陣は、昨季メジャーから復帰して最多勝に輝いた和田毅を筆頭に、2年連続2桁勝利の武田翔太、ともにWBCで活躍した千賀滉大とバンデンハーク、さらにはオープン戦好調の東浜巨、中田賢一など、候補は目白押しで、25日の広島戦で7回無安打無失点と復活の兆しが見えた平成の怪物・松坂大輔がローテから外れるほどの充実ぶりとなっている。

 野手も内川聖一、松田宣浩のWBC組に加えて、一昨年にトリプルスリーを達成した柳田悠岐とビッグネームが揃う顔ぶれに、千葉ロッテから昨年92打点を記録したデスパイネを獲得。さらに中村晃、本多雄一、今宮健太などリーグを代表する選手に、プロ4年目の上林誠知や育成上がりの牧原大成など若い力も台頭しており、首位打者経験のある長谷川勇也が定位置もままならないほどの状況だ。

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