■DeNA

【補強ポイント】
・筒香の後釜になれる長距離砲の素材
・球威のある右の先発投手

　昨年は11年ぶりのAクラス入りを果たしCSでもファーストステージで巨人を破るなどチームに勢いがあるが、勝率は5割未満で戦力的にはまだまだ万全とは言えない。先発投手は石田健大（24歳）と今永昇太（24歳）の若手サウスポー二人と井納翔一（31歳）が中心となるが、確実に貯金を作れるほどの信頼感はない。ドラフト上位で獲得した濱口遥大（22歳）と水野滉也（23歳）の二人も4年秋は不調で即戦力としては考えづらい。昨年11勝の山口俊（30歳）がFAで巨人へ移籍した穴を埋めるのは簡単ではないだろう。リリーフも中継ぎ陣は整備されてきたが、抑えの山﨑康晃（25歳）が昨年は防御率3点台と成績を落としているのが気がかりだ。

　野手は捕手の戸柱恭孝（27歳）、セカンドの石川雄洋（31歳）と宮﨑敏郎（29歳）、ショートの倉本寿彦（26歳）、センターの桑原将志（23歳）とセンターラインが安定してきたのが強み。そして何より大きいのが主砲の筒香嘉智（26歳）の存在だ。ただ筒香はメジャー志向が強く、数年後に移籍する可能性は高い。今年のキャンプでは育成選手で2年目の網谷圭将（20歳）と高卒ルーキーの細川成也（19歳）が長打力でアピールして話題となったが、長距離砲の育成には時間がかかるため他にも候補を獲得しておきたい。

　筒香は09年のドラフト1位の選手。当時は今よりも投手陣が厳しい状況だったが、地元横浜高校のスターということで獲得して見事に成功した。その後釜候補として清宮、安田尚憲（履正社・三塁手）を狙うというのが長期的なチーム作りとしては正解ではないだろうか。筒香という格好のお手本がいることも、清宮、安田にとっては大きなプラス材料となるはずである。

　投手陣は石田、今永、濱口、砂田毅樹（22歳）など若手の先発はサウスポー偏重で、山口が抜けたこともあり球威のある右投手が不足している状況だ。そこでおすすめしたいのは鍬原拓也（中央大）。体はそこまで大きくないものの、コンスタントに150km前後をマークするストレートは威力十分。下級生の頃は単調な投球で早々に降板することもあったが、徐々に試合を作る能力も備えてきている。2位以降で獲得できるならぜひ指名を検討してもらいたい。下位で獲れそうな本格派右腕という意味では熊谷拓也（法政大）も面白い。大学3年間でリーグ戦通算6勝10敗、防御率4.25と安定感はないが、フォームに大きな欠点があるわけではなく好調時のストレートは目を見張るものがある。チームに法政大のOBは多く、本人も地元の神奈川県出身というのも追い風になるだろう。

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