通算2000安打達成まで残り83本と迫っている巨人の阿部慎之助。(写真:Getty Images)
通算2000安打達成まで残り83本と迫っている巨人の阿部慎之助。(写真:Getty Images)
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 2017年は、名球会入りラッシュのシーズンになるかもしれない。昨年は、投手では黒田博樹が日米通算200勝、野手は新井貴浩が通算2000安打と、25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島から2人の名球会入り選手が誕生し、さらに福留孝介も日米通算2000安打を記録した。今年は野手の2000本安打達成の可能性がある選手が、日米通算を含めると6人もいる。

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 もっとも近いのが、今季からヒューストン・アストロズに移籍した青木宣親で、日米通算2000安打まで、あと35安打となっている。日本で1284安打、MLBでは昨年までに681安打を記録している青木だが、MLB移籍後の5年間は、いずれもシーズン100安打以上を記録しており、大きなケガがなければ、史上7人目となる日米合算での名球会入りは確実だろう。

 日本球界のみでの2000安打達成者は、これまでに47人いるが、今年は荒木雅博(残り39本)、福浦和也(同68本)、阿部慎之助(同83本)、内川聖一(同104本)、鳥谷敬(同128本)と、候補が目白押しだ。

 5人のうち、前年の安打数が残り本数を上回っているのが、荒木、阿部、内川の3人。その中でも、故障がなければレギュラーポジションは確実、という選手は内川と阿部ぐらいで、その他の3人は確実とまでは言いづらい。特に福浦は、過去5年間で50安打以上を記録したシーズンが一度もなく、記録達成か、現役引退かの瀬戸際にある選手と言える。さらに、金本知憲監督の「超変革」で、ショートのレギュラーの座を北條史也に奪われた鳥谷にとっては、記録云々よりも、チーム内での生き残りのため、正念場のシーズンになりそうだ。

 これまでに1シーズンで2000安打達成者がもっとも多かったのは、日米通算の井口資仁を含めて4人(ラミレス、中村紀洋、谷繁元信)が達成した13年だが、17年はこれを上回るシーズンになる可能性がある。

 その他の打撃成績では、通算1500安打に、日米通算で川崎宗則があと7本と迫っており、日本でも坂本勇人が残り98安打、田中賢介が残り150安打で圏内と言える。

 本塁打では、阿部が過去18人しかいない通算400本塁打に、あと27本と迫っているが、過去3シーズンは19本塁打が最高で、やや苦しいかもしれない。逆に言えば、阿部がこの記録を達成するようなら、巨人の3年ぶりのV奪回が見えてくる。通算350本塁打の村田修一(残り4本)、中村剛也(同20本)も可能性は高そうだ。

 派手な打撃成績ではないが、攻撃では重要な要素となる犠打数で、過去5人しか達成していない通算300犠打に2人のベテランが迫っている。田中浩康(残り7)と細川亨(同9)は、いずれも新天地での記録達成に挑む。

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