
J1リーグの年間王者は鹿島アントラーズに決まり、いよいよ12月8日からFIFAクラブワールドカップ(W杯)2016がスタートする。8日は初出場となる鹿島がオセアニア王者のオークランド・シティ(ニュージーランド)と横浜国際総合競技場で対戦するが、今大会の見どころは何と言っても15日の準決勝から出場するヨーロッパ王者のレアル・マドリー(スペイン)だ。
UEFAチャンピオンズリーグ(CL)優勝は、前身のチャンピオンズカップも含め11回で、2位のミラン(イタリア)の7回を大きく引き離している。そして今年のクラブW杯で優勝を果たせば通算5回(前身のインターコンチネンタルカップ、トヨタカップ含む)となり、こちらもミランの4回を上回ることになる。
チームの最大の魅力は、豪華な攻撃陣だろう。かつてジネディーヌ・ジダン(昨季途中よりレアルの監督に就任)やデイヴィッド・ベッカム、ロベルト・カルロスらを擁した2000年代初頭は「ギャラクティコ(銀河系軍団)」と称されたが、それに勝るとも劣らない陣容を誇る。その代表格がポルトガル代表のクリスティアーノ・ロナウドだ。
C・ロナウドが更新した記録は枚挙にいとまがないため割愛するが、圧倒的な得点力はもちろん、高速ドリブルから繰り出されるフェイントの数々や、得意とする足の裏を使った引き技やドリブル、ボールを何回もまたぐシザースフェイントなどに注目だ。多くの選手が実践しているが、それはDFと対峙してスピードダウンした際に限られる。ところがC・ロナウドは、それらのフェイントを高速ドリブル中に組み合わせて対峙したDFに仕掛ける。本人は「トリッキーなテクニックを織り交ぜることが自分のスタイル」と語っているが、彼にしかできない高度なテクニックだ。
レアルにはC・ロナウド以外にも、フランス代表のカリム・ベンゼマ、クロアチア代表の攻撃的なMFルカ・モドリッチとドイツ代表のトニ・クロースなど、各国のエースクラスを擁している。今回、来日するレアルは第2期「ギャラクティコ」だけに、優勝候補の大本命である。レアルが出場する準決勝以降は、サッカーファンに限らずテレビでもいいから見逃さない方がいいだろう。