基本的には、痛みが強いときにはしばらく休ませることが治すための早道といえます。ただし、一時的に休んで痛みが治まっても、また練習に熱中すれば痛みが起こる可能性があります。痛いときには練習量を減らし、練習の前後には、手首や指、痛む部分の筋肉を伸ばすストレッチをしながら乗り切れるといいですね。
治療としては、炎症や痛みを抑える消炎鎮痛薬(飲み薬)や湿布薬を使います。発症したばかりの急性期には、アイシングをして冷やすと痛みをやわらげることができます。試合の前など、速やかに痛みを抑えたいときには麻酔薬などの局所注射をすることもありますが、よほど大事な試合でなければ休むことをすすめます。ひじの内側は、すぐ横に神経が通っているため、影響を避けるためにも注射は慎重におこなう必要があります。また、ひじにかかる負担を減らすためにバンドを装着することも有効な場合があります。
保存療法を続けても痛みが半年以上続く場合や、夜間などにも痛む場合などには、手術を検討することもあります。ただし、腱付着部炎は、使いすぎによる炎症なので、多くの場合、安静と保存療法でよくなります。そのため、手術などが必要になるケースはまれといえるでしょう。
※週刊朝日MOOK「痛い!首腰ひざのいい病院2017」より抜粋