広島は球界最高年俸(6億円)の黒田博樹投手がいたが、外国人のジョンソン投手(1億2500万円)、ルナ内野手(1億円)、エルドレッド内野手(1億500万円)を除くと、他に1億円以上は石原慶幸捕手だけしかいなかった。大ブレークした鈴木誠也外野手はわずか1700万円。最多勝の野村祐輔投手も5200万円と、年俸の何倍にも相当する活躍を見せた選手が続出した。
逆に、1勝あたりの単価が最も高かったのは、ソフトバンク(83勝)で5031万円。次いで巨人(71勝)の4646万円。両リーグの2位チームは、高コスト1、2位。この2チームは、高い給料を払ってでも、高い順位を目指すという方針が明確だ。優勝こそ逃したが、2位という順位を考えれば、クライマックスシリーズ(CS)でファーストステージ開催権を得ており、一概に経営下手とは言えないだろう。
残念だったのはオリックスと阪神だ。1勝あたりの単価はオリックス(57勝)が3883万円で3番目に高く、阪神(64勝)が3764万円で4番目に高い。オリックスはペナントレースの順位が最下位、阪神はBクラスの4位。両チームとも活きのいい新人が登場したが(阪神・高山俊外野手、青柳晃洋投手、オリックス・吉田正尚外野手)、高年俸のベテランが額面通りに働いてくれなかったシーズンだった。(文=日刊スポーツ・斎藤直樹)
(年俸の金額は推定)