日本ハムの栗山英樹監督が8度、宙に舞った。連日に渡って「しびれるゲーム」が繰り広げられた末、日本ハムが10年ぶり3度目の日本一に輝いた。2連敗からの4連勝。栗山監督にとっては「4年前の忘れ物」を力づくで、もぎ取った形となった。
最終的には点差が開いたが、シリーズを通して試合終盤まで1点を争うゲーム展開が続いた。日本一決定直後に栗山監督が「どっちに転んでもおかしくないゲームばかりだった」と振り返ったのは、正直な感想だろう。その中で勝敗に大きく影響したのが、短期決戦の中で“流れを読んだ”自らの采配だった。
敵地で2連敗を喫した栗山監督は、2試合で6打数無安打4三振と精彩を欠いた陽岱鋼をスタメンから外し、「レフト・西川」、「センター・岡」、「ライト・近藤」の外野スタメンで残り4試合に臨んだ。「使い方を含めていろんなことを思う選手たちもいたと思いますけど、『絶対に勝つんだ』ということを自分の中で決めてやってきた」と栗山監督。陽岱鋼と言えば、昨季までにゴールデングラブ賞を3度受賞し、13年には盗塁王、14年にはシーズン25本塁打を記録したチームの顔の一人だが、「実績ではなく現在の調子」を重視し、結果的にチームは4連勝を飾った。