会津大学(大学提供)
会津大学(大学提供)

 全国から志願者を集める地方大学の一つが、会津大学(福島県会津若松市)だ。1993年開校のコンピュータ理工学に特化した公立の単科大学で、学部生のうち県外出身者の割合は64%にもなる。英国の教育専門誌が毎年公表している「THE世界大学ランキング2023」で日本の大学では14位にランクインするなど、国際的にも高い評価を得ている。

 特筆すべきは研究・教育環境の充実ぶりだ。

 学内には約3千台のコンピューターがあり、設計や映像処理に活用される高性能のワークステーションが学生1人1台配布される。学内の公用語は日本語と英語で、教員の約4割は外国籍。入試も英語を重視。一般選抜の場合、大学入学共通テストは理科1科目と5教科7科目のいずれかを選択可、個別学力検査は英語と数学の2科目のみ。卒業論文も英語で執筆するなど、海外でも通用する人材の育成にも力を入れている。

■技術だけでなく市場展開も学ぶ

 大学創設時から勤務する山内和昭・学生部副部長が言う。

「設立当時は今ほどコンピューター関連の教育研究者が日本におらず、国際公募を行った結果、外国籍の教員が多くなった。そのため、英語を公用語とする体制が30年も前にできあがったのです。現在も全世界から優れた教員を求めて国際公募を行っており、国際色豊かな環境で学べます」

 大都市の有名大学にも負けない魅力が、全国から学生を引き寄せている。特に志願者が多いのは、東海地区と首都圏だ。

「東海地区は自動車メーカーをはじめIT技術を必要とする企業が多いので、本学で最先端の技術が学べることに魅力を感じてもらっているのかと思います。首都圏の高校へは他の地方国公立大学と連携して進路相談会を行うなど認知度向上に取り組みました。東京からは約3時間と意外とアクセスが良いんです。進学校と言われる高校からの進学者や、ICT(情報通信技術)と英語という組み合わせの将来性に注目して入学する学生も多くいます」

 学内の男女比は約9対1。女子学生の数を増やしていくために大学のパンフレットを女子学生が作るなど、広報戦略を模索中だ。

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