精神面で少しプレッシャーがかかった方が、選手として伸びていく──。岡崎にとって逆境が刺激になるのは、プロとしての歩みを始めた清水エスパルスでFWの8番手としてスタートし、世界最高峰とうたわれるプレミアリーグまでたどり着いた事実が証明している。だからこそ、「自分に自信が持てなくなかったら終わり」と胸を張る。

 しかし、プレーそのものについては、今のスタイルを変える必要はないと考えているという。キーワードは、「自分のカラー」だ。

 「試合に出られるか、出られないかということを意識しすぎたら、駄目になると思いましたね。今シーズンはやるべきことをきっちりこなしながら、プレーのクオリティーを上げたい。それが結局、サッカー選手として質を上げることにつながるから」

「スリマニやウジョアのように、身体を張って(空中戦で)勝てるようなタイプではない。だから、MFとDFの間のスペースに入って、厳しい位置でもボールを受ける。そして、パスをたたいて、ゴール前に入り、今日みたいにシュートを打つ。それが自分のスタイルだと思う。『違う色を出せる』、『他の人とは違うものを出せる』ところを見せたいですね」

 レギュラー争いに闘志を燃やしながらも、変に気負うことなく己のプレーを貫く。そんな覚悟でいる岡崎だが、起用の有無は当然、ラニエリ監督の考えにかかっている。

 レスターにとってヤマ場となるのが、24日に行われるアウェイでのマンチェスター・U戦だ。2トップの一角としてエースのバーディーを「当確」とすれば、もう一人はスリマニか、あるいは岡崎か。クロスボールで効率的に攻めたいなら高さのあるスリマニを起用し、守備に重きを置きながら前からプレスをかけていくなら岡崎を使ってくるだろう。その3日後に控えるポルトとのチャンピオンズリーグ・第2節を睨みながら、はたしてラニエリ監督はどんな采配を見せるか。(文・田嶋コウスケ)