「ミスが多すぎたので、減らすようにした。作戦も少し変えた」と錦織。この中断からの再開後、錦織はドロップショットなどを交えながら、徐々に流れを引き寄せていく。最後は長いラリーの末にブレークし、第2セットを奪い返した。

 そこからは、両者ともに四つに組んだ力比べのような展開が続いていく。第3セットでは錦織が先にブレークを許すも、直後のゲームでブレークバック。互いにサーブキープに苦しみ流れが二転三転するなか、凄まじい守備力とサーブに勝るマリーが、最後は抜けだしこのセットをつかんだ。

 それでも第4セットでは、サーブの入りに苦しみ始めたマリーのセカンドサーブを、錦織が叩く。また、ラリーの途中で会場内のマイクがハウリングを起こすハプニングが起き、コート外の出来事にもマリーは苛立ちを募らせていた。

 一方の錦織は「いらつく元気もなかった」と言い、同時に「疲れた時に限って、冷静にもなれる」とも振り返る。落ち着きを無くしたマリーの心にさらに揺さぶりを掛けるように、絶妙なドロップショットも決める錦織。第4セットは第4、第6ゲームをブレークし、世界2位を圧倒した。

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