また、避難する際のことを考えて、持ち出すものをまとめた「防災バッグ」も作っておきたい。非常用食料や水、簡易トイレなど必要なものは多岐にわたるが、今はそれらを一通り詰めたセットも販売しているので、活用したいところだ。
家族で避難する際に気を付けたいのは、子どもや高齢者の安全だ。身長の低い子どもや脚が弱っているお年寄りは、水に足を取られる可能性も高い。そんなお年寄りや子どもたちに持たせておきたいのが「水に浮くリュック」だ。子ども用と大人用があり、装着した状態で子ども用は60キロ、大人用は80キロまでの重量(本体を含む)を水に浮かせることができる。家族での避難の際には、手元にあると安心できそうだ。
避難先では携帯電話やスマートフォンが役立ちそうだが、そればかりに頼るのも不安だ。豪雨の際は水没させる可能性も高いし、そうなってしまうと充電器などを備えておいてももはや役に立たない。情報収集のためにはできれば手巻き充電式のラジオがあった方がいいだろう。 また、携帯やスマホがダメになってしまったときのために、10円玉をたくさん準備しておくことも重要だ。避難先の公民館などには公衆電話があることが多い。使いたいのに紙幣しかない……なんてことにならないように、多めに硬貨を準備しておきたい。
いざ避難するとなった際には、家を出る前にチェックしておきたい点もある。浸水に備えて戸締りをしっかりしておくのはもちろんのこと、ガスの元栓を閉めて、電気のブレーカーを落としておくことも必要だ。また、避難で持ち出せない貴重品は高い位置に置くようにし、畳もできれば、台の上など高い場所に移動させておきたい。浸水して水が染みた畳は使えなくなってしまうばかりでなく、処分する際にもかなり手間を要するからだ。
近年の震災や豪雨被害を受けて、災害への意識は以前より高まっているように思えるが、それでも実際に起こると、慌ててしまうことが多いだろう。事前に十分に備えておけば、いざという時にも落ち着いて行動することができるかもしれない。(文・横田 泉)