銀メダルを獲得した樋口黎(c)朝日新聞社
銀メダルを獲得した樋口黎(c)朝日新聞社
この記事の写真をすべて見る

 初の五輪で銀メダルは快挙だったが、本人にとっては悔しいものだったかもしれない。日本時間20日、リオ五輪のレスリング男子57kg級の決勝が行われ、樋口黎が銀メダルを獲得した。

 若干20歳で今回が初の五輪となる樋口。大会序盤から攻めたレスリングをみせ、実績のある選手たちを破りながら決勝まで駒を進めた。

 決勝の相手は、ロンドン五輪で銀メダルを獲得しているジョージアのウラジーミル・キンチェガシビリ。堅い守りをもつ相手に、樋口は序盤から攻め続け、第1ピリオドで1点、さらに第2ピリオドでタックルを決め2点を追加し、3-0とリードする。しかし相手も黙っておらず、終盤に2点を返すと、続けざまに点を追加。3-4と逆転され、樋口の敗戦が決定した。

 実は試合終盤、日本は審判に向けたビデオ判定の要求、いわゆる「チャレンジ」をしていた。相手が樋口の指をつかんでいるにも関わらず注意がされていない、といったことをアピールしたかったようで、樋口も試合終了直後は「なぜ注意しないんだ」といったようなジェスチャーをしていた。しかしこのチャレンジが認められず、樋口は判定負けを喫した。

 納得いかない表情で初の五輪を終えた樋口は、試合を次のように振り返る。

次のページ