ダブルスを取られ1-2に追い込まれた日本は、ここで再びエースの石川が底力をみせる。ダブルスで福原と伊藤を苦しめたシャンに対して、第1ゲームの頭から圧巻の10連続ポイント。この勢いのままストレート勝ちを収め、スコアを2-2に戻した。
そして、勝負の行方を左右する運命の第5試合は福原に託された。相手はカットマンのハン。本来、得意ではない戦型の相手に対し、福原は1ゲーム目からフォアのスマッシュを打ち込む攻めの姿勢をみせる。しかし、相手の打球の回転に押され次第にネットオーバーが目立つように。試合はフルゲームにもつれ込み、第5ゲームを4-7でリードされながらも6連続ポイントで勢いを盛り返し、一気に逆転勝ちを収めるかに思われたが、最後はハンの打球がきわどいエッジボールとなり、あっけない幕切れを迎えた。
4時間近くに及んだ大激戦を制したのはドイツ。2-3で敗れた日本は3位決定戦に回り、銅メダルをかけて今大会最後の一戦に臨む。
この試合でダブルスとシングルスを落とした福原。試合後、涙を浮かべながら、「両方を落としてしまった。負けの責任は私にある」と話し、「(3位決定戦では)今日の悔しさをすべてぶつけたい」と唇をかんだ。また、団体戦初戦から想定外のプレーで観客を魅了してきた伊藤も五輪の洗礼を浴びる形となり、「1番手でいい流れを作れなかった。今日の負けは私の責任かなと思う」とコメントしている。
日本は、3位決定戦で日本時間15日夜に行われるもうひとつの準決勝、中国vsシンガポールの敗者と対戦する。(文・高樹ミナ)