ドリブルで割って入るプレーと、ワンツーのコンビネーション。初戦のナイジェリア戦で、日本がしっかりと防がなければならないポイントだ。
そして、もうひとつ。このブラジルとのテストマッチでは、オーバーエイジの3選手が初めて実戦に加わった。彼らのパフォーマンスはどうだったのか?
やはり圧倒的に目を引いたのは、浦和レッズのFW興梠慎三だ。カウンターを重視する手倉森ジャパンにとって、優先的な選択肢は、裏のスペースへの飛び出しだ。しかし、それはいつも繰り出せるわけではない。
実際、今回のブラジルは、日本が裏へ飛び出そうとすると、サッとDFラインを下げて深く保ち、スペースを消していた。そうなると、一発でゴールに迫ることは難しいので、一度FWの足下に入れてから、2列目に起点を作りたい。
しかし、今までのU-23日本代表には、ここでポストプレーが出来るFWがほとんどいなかった。ブラジル相手にも通じた興梠のボールキープは、浅野拓磨らが得意の飛び出しを封じられたとき、第二の矢として有効に作用するに違いない。新たな能力が加わった。
また、左サイドバックに入ったG大阪の藤春廣輝も、前半37分、後半12分のシーンなどで得意のオーバーラップを見せ、南野拓実や中島翔哉のスルーパスに走り込んだ。
逆サイドへの展開に成功したとき、相手のスライドや戻りよりも速く、後方からサイドバックが追い越してスペースを陥れるのは、手倉森ジャパンの戦術的なねらいだ。スピードとスタミナに長けた藤春の加入は大きい。