次に必要なのが、歯ブラシではとりづらい歯と歯の間のプラークをとる補助的な清掃器具です。すでに歯周病が進行して歯肉が下がってしまった人には、歯間ブラシが効果的。一方、子どもや歯肉が下がっていない健康な人は歯間ブラシを使うと歯肉を下げてしまうので、デンタルフロスが適しています。また、デンタルフロスの使用は、歯周病になっていない人にとって予防になりますから、子どもの頃から使い方に慣れておくことが大事です。奥歯など奥まった磨きにくい場所は、ワンタフトブラシが有効です。
これらは歯周病治療には必須の器具なので、まだ使ってない人は是非とも使ってください。また、本書では4つの器具を紹介していますが、ここでは歯ブラシ選びのコツを紹介します。
歯ブラシを選ぶときに重要なのは、「歯肉を傷つけることのないもの」「歯垢をしっかり落とせるもの」。具体的には次の5つをポイントに選んでください。
(1)ナイロン毛
(2)植毛が密なもの(3列が目安)
(3)毛の硬さはふつうか、やわらかめ
(4)ヘッドは小さめ(小回りが利き、奥歯にも届きやすい)
(5)柄はストレート
患者さんから質問されることが多いのは、「毛のやわらかさはどのくらいがいいですか?」ということ。やわらかすぎるものは歯や歯肉に当たると毛が寝てしまって、プラークを落とすことができません。逆に毛が硬すぎるものや毛先がとがっているものは、歯肉を傷つけてしまいます。大手生活用品メーカーが販売している一般的な歯ブラシの中から、まず「普通」と表示されている商品を選び、使ってみて痛いと感じたら、それよりもやわらかめのものに変えてください。
「自分にどれが合うのかわからない」という人は、歯科医院でブラッシング指導を受ける際に歯科医師や歯科衛生士に選んでもらいましょう。歯科医院で歯ブラシを購入することもできます。